南米在住の多くの日系人の方々。
2世、3世から並々ならぬ苦労話を聞くことも多かった。
この本は、日本海外協会連合会(1950年代のjicaの前団体)の一人の元職員が書いたもの。
「国土狭小、人口過剰」に対する海外移住政策。
その裏で、様々な汚職が蔓延る様に、読んでいて怒りさえ覚える。
著者が膿を出そうとすると、厄介払いされ南米に派遣されたり。
最終的には、著者は解雇されてしまうが。。
中でも、
ドミニカ共和国、ブラジルのアマゾン、ボリビアのサンファンに移住した人たちの生活はひどかった。
戦争の恐怖から逃れるため、
南米の肥沃な大地に夢を馳せ、
全財産を持って旅立った多くの人々。
しかし、現地へ到着してみると、
日本政府が出した募集要項との大きな相違、
詐欺的な受け入れ、
全く開墾すらできない荒れ地への移住、
貧困、
現地での奴隷扱い、
自由の制限、
教育の未整備、
治療もできずに亡くなっていく家族、
日本へ帰りたくても帰れない人々、、
悲惨な状況が数十年に渡って続いていたことを改めて知った。
それでも、必死に頑張った日系人の方々。
彼らがいたお陰での、今の南米の発展があるといっても過言ではないだろう。
以前訪問した、パラグアイ、イグアス地域の移住博物館。
日本政府が発行していたポスター
『行け、ブラジルへ』
そして、移住の歴史
海外移住政策での移民は1952年から、終了の1972年までで63000人。
多くの日系人の苦労を忘れないよう、ここに書き留めておこう。
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