June 9, 2010

日本人移民

南米在住の多くの日系人の方々。
2世、3世から並々ならぬ苦労話を聞くことも多かった。

この本は、日本海外協会連合会(1950年代のjicaの前団体)の一人の元職員が書いたもの。
「国土狭小、人口過剰」に対する海外移住政策。
その裏で、様々な汚職が蔓延る様に、読んでいて怒りさえ覚える。
著者が膿を出そうとすると、厄介払いされ南米に派遣されたり。
最終的には、著者は解雇されてしまうが。。


中でも、
ドミニカ共和国、ブラジルのアマゾン、ボリビアのサンファンに移住した人たちの生活はひどかった。

戦争の恐怖から逃れるため、
南米の肥沃な大地に夢を馳せ、
全財産を持って旅立った多くの人々。

しかし、現地へ到着してみると、
日本政府が出した募集要項との大きな相違、
詐欺的な受け入れ、
全く開墾すらできない荒れ地への移住、
貧困、
現地での奴隷扱い、
自由の制限、
教育の未整備、
治療もできずに亡くなっていく家族、
日本へ帰りたくても帰れない人々、、


悲惨な状況が数十年に渡って続いていたことを改めて知った。

それでも、必死に頑張った日系人の方々。
彼らがいたお陰での、今の南米の発展があるといっても過言ではないだろう。





以前訪問した、パラグアイ、イグアス地域の移住博物館。

日本政府が発行していたポスター
『行け、ブラジルへ』
そして、移住の歴史



海外移住政策での移民は1952年から、終了の1972年までで63000人。
多くの日系人の苦労を忘れないよう、ここに書き留めておこう。

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